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「しかし、まあぶつかったのが小学生だったから良かったものの、あれが車だったらと考えると――」
「お前、マジで言ってんのか?」
再び歩き始めた真也達。
ふと、真也が言った言葉に、鬼崎が口を挟んだ。
「は? 何が?」
「お前よお、さっきぶつかった人と俺らが今持ってる鞄と、神楽の着てる制服見てみろ。
同じヤツだろ」
「あ、あれ?」
「で、リボンの色が赤だったろ? つうことは二年生だろうがよ」
真也はぶつかった時の事を思い出していた。
確かに、ぶつかった女の子が持っていた鞄は真也達の持っている鞄と同様の物だった。
制服も天音の着ている上下一体のワンピースタイプと同様の物。
「いや、でも身長が俺の胸までも無くなかったか?
俺が去年で170くらいだったから、140ちょいしかねえくらいだろ。
いや、まあ人それぞれだしなあ」
言いながら真也はぶつかった女の子、もとい、先輩の姿を思い出していた。
あの身長の低さと幼い顔立ち。
「あの人、可愛かったなあ」
「なんだ一條、テメェ、ロリコンの気があったのか」
「ちょっと待て! 年上の先輩に可愛いっつって何でそうなる!?」
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