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日曜日。
うぅ-ん、よく寝た。
……げっ!もう10時!?暁生さんは「ゆっくり寝ていいのよ、あんな事があったんだし」
そう言ってくれたけど、寝過ごしたよね、これ完全に…
あの日--
恐怖で固まっていた私が、我に返って最初にした事。悲しい笑いを浮かべた和歌を抱きしめる事。
和歌は段々表情を取り戻し、私を抱きしめ返した。
荷物を取りに戻る気にもなれず、二人で学校を出た瞬間。
「「布結っっっ!!!」」視界が遮られた。
ぎゅうぅぅぅっ
暁生さんと奏梧に痛い位抱きしめられた。
『あ…きお、さん…
怖っ…怖かったよぉ--!暁生さんっっ
うわあぁぁぁん!!』
「布結…遅くなってごめんね。布結ちゃん。頑張ったね。」
暁生さんは優しく抱きしめてくれた。訳がわからなかっただろうに、優しくあやしてくれたのだった。
温かい眼差しで、私と暁生さんを見守っていた奏梧は、様子の違う和歌に気づいて、驚いた声をあげた
「っっ和歌!?なんだその顔!?お前っキレたのか!?」
和歌はフッと笑うと脱力したように奏梧に凭れかかった。
「まさか、死んでねぇよな?」
「まさか。奏梧と違って、やりすぎたりしないよ。」
心配した奏梧が一応生徒玄関を見に行ったが、誰一人いなかったという。
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