穏やかなる日常

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真っ暗は怖い… 諦めて和歌の隣に座った。 「生徒会長と仲良くしたりしなかった?」 「生徒会長の彼女、すっごい嫉妬やきで、会長と仲良くすると、怖い目に合わされるって噂。」 こ、怖い目? 思わず和歌の腕にしがみつく。 和歌は、地味モードから普段モードに戻ったのか、髪をばさばさと振って、前髪をヘアピンで留めていた。 ん-!イケメンモードは、心臓に悪いっ! 腕にしがみ付いていた私の背中に、反対の腕を回して抱きしめるような体制をとると 「俺が守ってあげるよ--」耳元で囁いた。 !!! 日が長いとはいえ、薄暗くなってきた室内に、私の鼓動が響いてしまうんじゃないか-- 囁かれた私は固まったままだった。 和歌はそっと私の頬に手のひらを当てて、親指で頬をこする。 さっきと違って、真正面から私を見て 「ねぇ…、大切にするから…」 そう甘い声をだして、ゆっくり顔を近づけて来た。 雰囲気にのまれてしまったのだろうか-- フリーズしたままの私は、和歌にキスをされて、瞳を閉じた。 『…んっ、ちょっ…と、…ダメです…ってば』 理性を総動員して拒否しようとしたら、しゃべった拍子に、舌を入れられた。 『ん--!』ダメだ頭の芯がとろけてきた…… 何分位唇を合わせていただろうか。 …ちゅ…ちゅ 静かな室内にキスの音だけが響き続ける。 ---!!! 和歌が私の左胸に、そっと手を当てた。 「布結の心臓、めちゃめちゃ早い…」 これ以上はホントにだめえ-! その時だった。
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