穏やかなる日常

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このまま外に出るのかと思いきや、和歌は誰かの忘れ物の傘を握ると 「布結、隠れてて。俺になんかあったら、外に出て助け呼んで。」 そう言って生徒会室から玄関に通じる壁に身を寄せて、待ち伏せる。 バタバタバタバタ!! 追いかけて来たやつらの顔を、傘で思い切りフルスイングで殴りつける。 どうやら、相手は男が二人、女が一人のようだった。傘で殴られた男は後ろにふっとんだ。 すぐ後ろを走っていたもう一人の男にぶつかって、共倒れした。 手前を走って来てた男を足で横向きにさせると、傘の柄を下にして思い切り殴りつけた。 ゴキッ 肩の骨がイッたらしい。 その男の悲鳴が響く。 倒れているもう一人をうつ伏せさせると、腕をとって膝で肩の辺りをキメた。 ゴキッ 肩を外したようだ。 悲鳴は二重奏になった。 「どうする…?まだやるって言うなら、もう片方の手もお仕置きするけど?」 …悪かった…もうやめてくれ… 切れ切れに哀願する男たち。 「この子だけじゃない、もう二度と誰にも、すんな」 「さて、と…」 バチバチバチッ 倒れた男の落とし物を拾った和歌は文字どおり火花を散らした。 「オマエさぁ、痴話喧嘩は二人でやってよ。」 バチバチッ 「今まで何人もやってんだろ。」 バチバチッ 和歌の火花散る威嚇に、女は泣きながら、懇願しているようだった。 ごめんなさい…もう二度としない…反省、してる…だから、ホントに… 「そっか、わかった。もうすんなよ。」 バチバチバチッ 女は大きく仰け反って、失神した。
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