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暁生さんのボルボに乗ったとたんに、私は意識を手放した--
そして、起きたら今って訳です。
誰に言い訳してんだ、あたし。
リビングに降りて行くと、タイミングがいいのか、悪いのか、
皆が集まって、和歌から話しを聞こうとしているところだった。
『おはようございます…遅くなって、すみません。』
「布結、これから和歌に昨日の話し聞くところだ。
…部屋行ってていいぞ?」
このまま話しを聞く?
部屋に戻る?
迷っていたら、ソファーに座っている暁生さんが左腕を広げてくれた。
「布結ちゃん。わからずにいるより、知った方が向き合えるわ。
ここにいらっしゃい、ここで聞いたらいいわ。」
コクンとうなずいて、暁生さんの左腕に収まった。
自らを守るように小さくなって。
体育座りをする私を暁生さんは左腕で、きゅうと抱きしめてくれる。
--僕の推察だけど
今回布結が狙われた理由はあの女の仕業だと思う。
あいつは現在の生徒会長の彼女だよ。
委員が集まって仕事をした時、布結は生徒会長直々に彼の隣で仕事を手伝うよう頼まれていた。
それを見ていた誰かが、あの女に教えたんじゃないかな。
しかも、生徒会長は布結を気に入ったんだと思う。
だから僕は初日に彼から引き離したんだけど、僕のいない隙にちょくちょく布結の作業を手伝っていたりしたのが、我慢ならなかったんだろうね。
あの女は今までも彼氏に近づく女、彼氏が近づく女、実際はどうあれそう見える女、そういった子を次々排除してたと思う。
生徒会長に近づくと怖い目にあうって噂がある位だから。
今回の手口は布結を閉じ込めて、無人の学校でヤバイ写真か映像を撮って脅す、ってところじゃないかと。
あの男達は金かカラダで言う事をきかせてて、いつもあの3人で実行してたと思う。女はきっと撮影係。
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