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「オマエ、食いモンの恨みは怖ぇって知ってるか?」
「…まぁ…。」
知ったところで得とか無いでしょうけどね。
「つまり、これは!食いモンの恨みな訳だ!」
「何言ってんですか?」
「ばっさりだな、こいつ。」
会話が進まない…。こうしてる間にも時計は刻々と進み、私の自由の時間を削っていく。
「つまりだな、」
「はい」
「昨日だな、」
「はい」
「オマエはだな、」
「いちいち切らなくても分かりますけど…。」
「おぉ、そうか?」
この人嫌だ…。
「んじゃ、簡潔に言うとだな。
昨日、オマエは、俺の前から、限定商品を、かっぱらったわけだ。」
「…は?」
「冷たいな、こいつ。」
「じゃなくて、何言ってんですか?」
「コーヒーゼリーの話だ。忘れたとは言わせねぇ。」
「忘れました」
「大爆笑だな、こいつ。ほら、昨日、売店で、買ってったろ?店員曰く、1000円で。」
「…………あ」
思いだした。悲惨な野口君の話だ。
「ほらみろ。覚えてんじゃねぇかよ。知ってっか?嘘つきは泥棒の始まりだぜ?」
「で、それが何か?」
「氷のようだな、こいつ。」
この人、面倒くさい…。いちいち感想とか誰も求めてないから。
「あれ、俺も目ぇつけてたわけ。」
「おめでとうございます。」
「それをだな、オマエは最後の1個を俺の目の前で堂々と買ってったわけだ。分かるか?」
「…分かったからなんなんスか?」
「オマエ…弁護士になれば?」
意味分かんないし。
「ってことで、ぱしりだ。」
「話がつながんないです。」
「んだよ、分からねぇ女だな。」
絶対、100%、こいつの話し方が悪い。
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