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「名前はー…確か…氷室?氷室…輝直だったかな。あやふやだけど。」
もともと柚木の解答は当てにしてないよ…。
「関わんないことを勧めるぜ、我が相棒。」
もう関わっちゃってる場合は…どう処理をすればいいんです?柚木さん。
とか言ったら話しが大きくなりそうだから、「そうだねー」と適当に流しとく。柚木にはそれが通じる。
だって、柚木がいつもそうだからね。
「本当は、笠松…えっと…真紘だっけ?にも関わんないほうがいいんだけどねぇ…。」
「何で?」
「アレに巻き込まれたら高校生活あれだよ?台風。」
私の幼馴染がその台風の目ってわけだね。
残念ながらその台風の被害を受けないように非難するにはまず、自分の家族と縁を切らないといけないんですよ、柚木さん。普通に考えて無理だから。私の高校生活は台風の被害を受けながら浪費するしかない。
何でこんな高校にいるんだろう。間違いなくあの頭の良さなら都内の頭の良すぎる学校に入れたはずなのに…。謎だ。
そんな会話をしていると教室についた。席が違うのでもちろん、柚木とはここで離れる。
自分の席に着くと、もう隣の席の人は来ていた。今は机に両足乗っけて、いつも通り携帯ゲームに勤しんでるご様子。そっちに夢中で私がきたことには気づいてなさそう。まぁ、気づかれても困るけど。なんてやりとりを1人でしていた。
そんな中…。
「今日は遅かったな。」
と誰かが口を開いた。誰か、というのは考える間もないし、探す間もなく分かる。隣の優等生に違いない。
「まぁ、色々と野暮用が…。」
「野暮用?オマエが?腹でも下したか?」
そんな野暮用は一生受け付けません。
「何、私が来る時間帯知ってんの?」
「まぁ」
何で?ってものすごく突っ込みたいところだけど理由は何もないんだろう。
「というか、ゲームしながら会話っすか。器用ですね。」
「安心しろ。オマエは一生できねぇから。」
どこら辺を安心すればいいんだ?というか、一生しないから。というツッコミを入れてから私は椅子に座って、宿題の残りを鞄から出す。
まぁ、出したところで化学苦手だから解けないんだけどね…。
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