幼馴染

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「ね」 「…んだ、お前か」 声をかけるなりその態度。別に期待はしてないけど、いつも通り冷たかった。ちなみに、朝はもっとひどい。私の幼馴染は朝が大の苦手らしく、話しかけても気づかないのが日常茶飯事。 たまに、わざと無視してるって言うから殴り飛ばしたくなる。 「何してたん?」 「かつあげ」 それ…アウトじゃない!? さらっと言うってどういうこと!?いつでもやってますよ、みたいな…。 「2000円しか儲かってねぇ。ありえねぇ。」 野口君2枚をひらひらと揺らしながら幼馴染はそう呟いた。 まず、かつあげがありえません。 いつからこの幼馴染は野蛮になったんだか…。と言ったところで小学校時代から普通に先生と喧嘩してたっけ…?で、勝っちゃったんだよね…。 相手、女の先生だったけど…。 こんなに野蛮で、さらには『イケてるメンズ』という分類に入るこの幼馴染。 それが、どういうわけか知りませんけど、女子の注目の的の原因でして…。本人は「うるせぇ」ぐらいしか思ってないと思うけど。 少し前、同学年で『美少女』という分類の女の子から告白されてましたけど、この幼馴染は見事に「ん、タイプじゃねぇ」とだけ言ってふりました。 そのあとの男子の目線と言ったら…あれは嫉妬だったと思う。 そんな幼馴染――笠松真紘は、とにかく何不自由ない生活を送っているに違いない。
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