幼馴染

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スマホの画面に映っていたのはカップの飲み物。コンビニとかでパックの飲み物の横に並んでるようなそんな飲み物。 え?何で私?ってか、何、それ飲みたいの?とかまたあの時と同じく疑問が浮上してくるけど、やっぱり沈下してもらった。 「限定商品だから、急いで買って来い。」 「何で私に頼むのさ。」 「横にいたから。」 横にいたら先生にでも頼むのか、お前は…。 「何でさ。自分で行けば。」 「行けねぇから頼んでんだ。文句言うんじゃねぇ。」 「へぇ、意外。めんどくさいのかと…。」 「まぁ、それもある。」 最低だ。さらっと認めたぞ、この男。 「それ…おいしいの?」 「お前はアレか?まずいもんでも食うのか?」 「食わないけど!?」 「じゃ、聞くな。馬鹿丸出しだ。」 発言の一つ一つが腹立たしい。人を見下すことしかしてない言葉の羅列。…もう慣れたといえば慣れたけど。社会に出てもこんな言葉遣いなんだろうな…。これで、優等生か…。優等生のイメージガタ落ちだよ。 優等生と言えば、眼鏡で、がり勉で、勉強まっしぐらで、優しくて、模範解答みたいな人間ってイメージがあったんだけど…。 うちの学校の優等生は…。 若干不良で、口も悪くて、ふつうにかつあげして、授業も聞いてなくて、ノートも取って無くて、そのくせ『イケてるメンズ』で、女に人気あって、頭の中身は桁外れときた。 褒め殺しちまいたいぐらいうらやましいこの頭脳。 目指す大学は国内で一番頭のいい大学。そんな大学の医学部。もうエリートのエリート。それに対して先生の一言は『余裕ですね、ハイ』の一言。 ちなみに、私が言ったら『無理ですね、ハイ。諦めてください。諦めも肝心です、ハイ』って言うに違いない。 まぁ、私はそんな頭脳明晰容姿端麗の幼馴染の頭の良さを頼ってますけど…。 「金はやる」 手には野口君が1枚。 「釣りは返せ」 「小銭は?」 「あったらかつあげなんかしねぇよ、バーカ。」 お前の方が馬鹿だ、って言えないから私は黙るしかない。
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