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じゃ、何?今幼馴染のやたらきっれいな指で掴まれてるその野口君は昨日変わった出会いをした野口君な訳?奪い取った野口君な訳?
…というか、昨日この野口君をめぐって幼馴染とその被害者さんは言い争ってた、と…。
野口君も色々大変ですね、と何故か同情したくなった。
「1個買ってくればいいんでしょ?」
「オマエの力じゃそんくらいしか持てねぇだろ。」
非力すぎるでしょ、その人。カップぐらいもっと持てますよ?
「ってか、何で行けないの?」
「忙しい」
「まーた、呼び出し?」
「分かってんなら聞くな。」
どうせ、また女子から呼び出し食らったんでしょ?いいねー、モテモテで。…いや、決して私が持てないからうらやましいとかじゃなくてね?普通に皮肉。
「ちなみに、クラスどこ?」
「隣の隣の隣の隣。」
私はイメージする。
「…それ、学年変わってるよね?」
「年上」
私の幼馴染の人気はどこまで拡散していくんだろう。もう、同学年の域を超してたんだ…。そのうち先生も誰か好きになったりしてね。
そんな幼馴染は今日も、授業のノートを取っている気配はない。
私との会話が終わると携帯電話で何かゲームを始めたらしい。指が器用に動き回っている。
何やらせてもある程度こなしちゃうこの天才。そんな天才の幼馴染のその指の動きをみた後、私は授業に戻っていった。
ポケットに、1枚のお札を入れて授業に戻っていった。
いつも通り、幼馴染の頭の良さをうらやましがりながら…。
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