幼馴染

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―――――――――― 昼休み。私は野口君1枚と共に教室を飛び出した。 何で幼馴染の為に走ってんだろー、とか考えたら負けだ。 あいつが言ってた通り限定商品だったらしく、売店にはもう残り1個しかなかった。セーフだ、セーフ。 「170円です。」 1000円で買う人って…他にいないんじゃないのか?ってぐらい小銭向きの値段。 200円なら分かるよ?普通に分かるし、私もそうすると思うよ。 500円でも分かるよ?細かいのが無かったんだよね? 1000円ってどうよ。桁が違うじゃん! 「830円のお返しです。悪いね、500円玉切らしてて。」 1000円は100円玉8枚と10円玉3枚に化けた。 合計11枚の小銭を持って私は売店を離れる。 ポケットに入れるとじゃらじゃらうるさそうなので手で握ることにした。 「…売り切れ?」 「悪いね。ついさっき売れちまったんよ。なにしろ限定商品だかんね。」 私はそそくさと逃げ出した。絶対今、私が持ってるこのカップの飲み物のことでしょ?何、そんなに人気なんですか? そんなこんなで見事に目的の品を手に入れ、依頼主に渡すと…。 依頼主はこう言った。 「遅ぇ…。」と実に不満げでした。 「なら、私に頼むなし」 「言っただろ。忙しかったんだ。」 「で?用事は済んだの?」 「終わらせられるもんは終わらせるに限んだろ。」 「へー、何分かかった?」 「1/2分」 「ちなみに、yes?no?」 「yesとか、ありえねー。」 幼馴染はそう言って私の手からお目当ての物をかっぱらって、ストローをさして飲み始めた。 かなり太いストロー。何で太いのか…。 それは、お目当ての品が『コーヒーゼリー』だからです。 それを無表情で吸っている幼馴染を見ていたら、あの後に来た人がかわいそうだな…と思えてきた。
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