不良

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いつも通り1人で登校してきた私は、いつも通りげた箱にローファーを入れる。 いつも通り上履きに履き替えて、いつも通りの道順で教室に向かう。 いつも通り自分の席に座って、いつも通り終わって無い宿題をやろう…と脳内計画をしたのに、それは儚く散った。 何で私はここにいるんだろう…。 目の前には見知らぬ高校生。制服はうちの学校。 上履きに履き替えたのにもかかわらず…私は教室に行けず体育館倉庫にいる。 決して迷子とかではない。方向が違うからどんなに方向音痴でも迷子になるような場所じゃない。 の前に、好き好んできたわけじゃない。上履きに履き替えた瞬間、急に腕を引かれた。もちろん、低抗はした。全力でしたけど…まぁ、あれだ。 大の男の前で歯が立つわけがない、ということ。 口でも抵抗はしたけど…なんか、周囲の目線が痛すぎてやめた。 朝のげた箱と言えば「おはよー」と清々しい言葉が飛び交ってるのに私だけ「あんた誰!?」と素っ頓狂な声で言っていた…。恥ずかしいったらありゃしない。 そんな中途半端な抵抗をした結果がこれ。見事に誘拐されました。 「この顔で間違いねぇんだな?」 「無いですね。大正解です。」 男たちが顔を見合わせて話を勧める。…人の顔指さしやがって。の前に…。顔に正解も不正解もないっつーの。 耳にはピアス。髪はメッシュ。…うん、不良だと思う。 私、不良に友達いませんけど…。悪いこともしてないですけど…。 「オマエか…。」 「…どうも」 とりあえず、挨拶。 「俺のこと知ってっか?」 「全然知らないです。」 「清々しいな、こいつ。」 ピアス男の後ろにいた男どもが「そうっすね」と便乗する。清々しいといわれたのは初めてだ。だから、喜んでいいのか、悲しんでいいのか、怒っていいのか、殴り飛ばしていいのか、萎えていいのか、感謝したほうがいいのか、根に持った方がいいのか…。判断不能だった。 「んじゃ、俺の顔見たことあるか?」 「今見てるけど…。」 「ワンダフルだな、こいつ。」 うしろの便乗犯たちが「そうっすね」と言う。案外向こうも適当に流してる気がする…。 「それ言うためにここまで来たんですか?」 「んなわけ。」 「ですよねー。」 もちろん、とか言ったらはっ倒してやろうかと考えていた。
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