始まりの朝

2/13
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
シスター、シエラの朝は起床後の朝の祈りから始まる ちっぽけな片田舎の小さな教会 年寄りの神父様とちょっとだけの信者様でこの教会の門を開く 「おはよう。シエラ」 「おはようございます。神父様いい天気ですね」 昨日までの大雨が嘘のよう 青色絵の具のような青空と散らばった白い絵の具の雲が点々と 気持ちの良い風も吹く 絵に描いたようないい天気 「あぁ、そうだろう?だがどうも占い結果ががよろしくない...近々何かあるかもしれぬ」 「そうなんですか?神父様」 神父様は毎朝決まった時間に今日一日の占いをする これがよく当たるから村の多くの人が頼りにしているのだ 「それよりシエラ、裏庭の雑草が生えてきておる。後で抜いてもらえるかの?」 「はい、神父様」 そう、いつもと変わらない明るい朝 惨劇の夜が近づくことも知らずに
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!