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「ねぇねぇシエラお姉ちゃん!」
「あら?どうしたの?」
時刻は昼を回って夕方
空も朱色に染まり、家々の灯りが目立つ時間になる
話しかけてきたのは村に住む子供達だ
「タクローくん知らない?かくれんぼ終わったのに帰ってこないの」
「あらあらタクローくん見つからないの?」
聞くと村の少年の一人、タクローくんがいつまで経っても帰ってこないというらしい
裏山の林の中でかくれんぼしていたのに見つからないということだった
「シスターさん、心当たりはありませんかねぇ」
「村長さん...」
子供達の後ろには村の男性陣がいた
それぞれが灯りを持っている辺り、結構な大事だ
「すみません、私は何も...」
「そうか...じゃあしょうがねぇ、もう一回裏山行ってみるか」
男性陣がずらずらと裏山へ向けて歩き出す
その背中を見てシエラは神父に彼らの同行の許可を得る
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