詩音とセリミア・ミシル

9/19
前へ
/72ページ
次へ
詩「ダンジョンコア、オリハルコンの金庫の召還を頼む」 -承認、オリハルコンの金庫は10000マナになりますがどうしますか? YES/NO- 詩「YESだ」 俺が承認すると、目の前に青白い輝きを放つ金属の金庫が現れた。 見るからに堅そうな外見だった。 ネ「それでは、この金庫は私が運んどきますね?」 詩「うん、ありがとう」 俺はすぐさま了承すると、踵を返して店内を見回ろうとしたが、後ろから可愛い声が響く。 ネ「うにゅぅぅぅっっ!!」 俺が後ろを向いて確認すると、ネリーさんが頑張って金庫を持ち上げようとしていた姿だった。 持ちあがらなくてもなお、ネリーさんは頑張って持ち上げようと、顔を真っ赤にしながら頑張っていた。 詩「ネリーさん!無理はしないでください」 俺がすぐさま駆け寄ると、ネリーさんは顔を俯けてしゅんとなっていた。 ネ「すみません、持ち上がりませんでした」 詩「いいよいいよ、頑張ってくれただけで俺は嬉しいからね?」 フ「それなら私が~……!!?」 ファティさんが次に持ち上げようとしたが、物凄く重いのか、びっくりしながら手を放していた。 勢いよく手を離したのか、後ろによろめいていた。 俺は、ネリーさんの頭の上に左手を置いていたので、咄嗟に右手が出た。 ファティさんの肩を捕まえると、一気に引き寄せた。 フ「ふえっっ///!?」 俺はすぐに後悔をした。 咄嗟にとはいえ、女性の肩を掴んで無理矢理こちらに引き寄せたのだ。 普通の女性なら嫌がる行為になるはずだ。 詩「ごめんなさいファティさん、危なそうだったので、つい……」 俺はすぐに両手を自分の後ろに隠し、頭を下げた。 フ「い、いえ!?私こそ不注意でこんなことになった訳で!別に嫌というか!むしろ嬉しかったというか!?へっ///!?わ、私は何を!?……ふにゅぅぅ」 突然ファティさんが顔を真っ赤にしながら倒れた。 俺はまた、咄嗟に肩を抱き寄せ、堅い地面に頭をぶつけないように、そして、ゆっくりと流れに任せる様に地面に下した。 こういう時は、無理な体勢にさせず、楽な仰向けの方が様態が安定するんだよな 俺はパーカーを脱ぐと、ファティさんにそっと被せた。 詩「ふむ、ファティさんはきっと……」 俺は空間を凍らせれる人物だったらしい。 詩「重い物を持ち上げようとして、一気に血が頭に上ったせいで倒れたんだな」
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1517人が本棚に入れています
本棚に追加