第二章

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―貴女なら必ず、時代を…未来を変えられる…。だから、生きて。生きて…絶対、幸せに…なりなさい― 「みんな…無茶なこと‥ばっかり…」  最初からダメだって諦めてばかりいた。やってもダメ、否定される、足掻くだけ無駄。でもそんなの…ちょっと考えれば、やってみなければ分からない。  リオンは、その可能性に賭けたんだ。 (私はまだ、生きていていいんだよね…?)  浪鴉は軽く唇を噛む。 (応えて――) 「ピィイィィーー!!!」  浪鴉の口笛が響き渡る。  天使達は何をしたのかと首を傾げる。 「ゼク様!このままではリオン様が!!」 「分かっている!!!」  ゼクは頭を抱える。 (何故だ、リオン!)  リオン達の目には、既に剣の大地が確認出来る程の距離。  浪鴉が翼を広げる。抵抗を受け、落下スピードが更に減速する。だが、それも時間の問題だ。 (間に合えッ)  一同が固唾(かたず)をのむ中、耳を裂くような鳴き声が轟いた。 「グルルルォォオォオォオオオ!!!!」 「なッ、なんだあれは!?」
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