第二章

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 ジオ、三老師のうちの一人。天界の騎士団・フレイヤを率いる唯一の女性騎士団長でもある。 「申し訳ありません!このような失態を…!」 「失態?フフフ…果たして本当にそうかな?」  ゼクが怪訝な顔をする。 「ゼクよ、あの娘はただの悪魔ではないぞ」 「と…言いますと?」  ジオの美しい唇が弧を描く。 「あの娘、お前と共に二対の座に就くはずだった娘、レシラの子だ」  それを聞いたゼクの顔が、驚きに歪む。 「そッ、そんな…まさか!!」 「レシラが幻獣使いの一族の末裔だったのは知っているな?」  ゼクは頷く。レシラは、ゼクの許婚(いいなずけ)だった。だが、結局レシラは悪魔と恋に落ちた。ゼクにとっては深い傷と言える。 「この世界に存在する幻獣や精霊は姿を隠して生きている。そんな彼等を唯一呼び起こせるのが幻獣使い達だ。あの娘はその血を引いている」 「だからあのドラゴンを従えることが出来たのか!」  その言葉をジオは首を横に振り否定する。 「従えるのではない。あの娘は"選ばれた"のだ」 「選ばれた…?」
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