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「兎月君、兎月君」
急に声をかけられた。
「何?」
そっけなく返すと、
「いつも思うけど、君って少食だねー」
と言われた。
確かに弁当の中身はあまり減っていない。
というか、いつも見てんのかよ。
「まあな。あんまり無理して食うと吐くし」
なによりも美味しくないんだよな。
人間でいうとどんな味っていうのかな…。うむむ…わかんねぇや。とりあえず、美味しくない事だけは明白だが。
「…の割には、結構力あるよね?」
「ふぇ??」
何言ってるんだこいつ。
「和人、お前、何言ってんの?」
思った事をそのまま聞いてみる。
「え?だって、兎月君、本当にほとんど食べないのに体育凄いじゃん」
そういう事か。あれでも結構力抜いてるんだけどな。もしや人間というのはもっとひ弱なのか?
ちっ、もっと手を抜くべきだったか。
なんて残念な事を考えてる俺の横で和人が急に声を上げた。
「あ、七世ちゃんとシノブちゃんだー!」
和人が指した方を見ると、見知った顔がそこにいた。
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