23138人が本棚に入れています
本棚に追加
グレンとハルクの間を通り抜け、ズカズカと近づいてくる何故か既に怒っているカレン。
わけが分からないよ。
俺の目の前まで来たカレンが喋る前に、俺は口を開く。
「チェンジで」
「んなっ!?」
「あと、声を小さくしてくれると助かるんだけど。あんま大きいと藍が起きちゃうからさ」
そう言いながら俺は寝ている藍に目をやる。いやはや、癒しは最高だね。
「声を小さくするなら話を聞こう。尤も、本来なら別に俺は話を聞く義務なんて無いんだ。それを『聞いてあげる』んだから、選択肢は一個だと思うなぁ」
聞いてあげるを嫌らしく強調する。そして聞いてあげるだけで、やはり質問に答えるとは言ってない。
「くっ......あんた贔屓激し過ぎでしょ」
声を幾分か小さくしたカレンが俺を睨みつけながら言う。
「お前が俺に対して何か友好的な事をしたか?その逆ばかりだろう。そんな奴になんで俺が有効的な態度で接しなきゃいけないんだ?頭湧いてるの?お前だって俺と同じような態度なのに?」
煽ってここでカレンが大声を出せば俺はこいつの相手をしなくていい理由が出来る。
「俺が今のカレンの立場だったらすげーイライラするな」
「え~?グレンなんて馬鹿だし、きっとはぐらかされて終わりだからあんなに言われないよ~」
「おい!馬鹿って言うほど馬鹿なんだぞ!バーカ!」
「はい、グレンも馬鹿ね~」
俺が言うのもなんだけどグレンとハルク、お前ら二人自由だな。
俺も部屋戻ってゲームしたい。
「あんた達黙って」
「「は~い」」
ちょっとうるさくしすぎてカレンにドスの聞いた声で言われて揃って返事をする二人。
というよりカレンが怒鳴らなかったな、残念。話を聞かなければならない。
最初のコメントを投稿しよう!