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ある普通の村に、まだ8歳の二人の双子がいた。
「ちょっと待てよー!」
「はは、早くしろよ、クライス」
クライスと呼ばれた、白髪の少年は必死に木に足を掛けながら上へと登っていく。
ようやく登り終えたクライスは、ぜぇぜぇと息を乱しながら、
「なんでクラウンはそんな早く登れるんだよー」
クラウンと呼ばれた、黒髪の少年はニヤッと笑うと、
「俺は天才だからな!」
胸を張ってそう言った。
すると、何故か急にクラウンはバランスを崩すと、乗っていた木の枝から真っ逆さまに落ちた。
「クラウン!?」
クライスは驚愕してクラウンが落ちていくのを見つめる。
だが、クラウンは空中で一回転すると、しっかりと地面に両足をついて着地し、
「ふふん、驚いたか?」
どや顔でクライスを見上げてそう言った。
「......はー、びっくりしたなぁ」
クライスはそんなクラウンの様子を見て肩の力が抜けていく。
「あっはっはっはっはっはっは!」
無邪気な笑顔で笑うクラウン。
「......ぷっ、あはははは!」
それに釣られてクライスも笑い出す。
「あっはっはっはっは!」
「あははははは!」
二人はしばらく笑い合っていた。
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