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「はぁ......」
「裕也の溜息は不吉の証」
「うるさいルシファー。お前の上司からの命令だ。今戦ってる奴は俺らで倒せだってよ」
「主人公(笑)の覚醒イベントは?」
「起こさせるなだって」
「あひゃひゃひゃひゃ!!主人公が本気でお荷物な件について!」
隣で聞いてたマオが爆笑する。
「んじゃ、覚醒イベント止めてくるわ。この後の乱入は予定通りで」
と、俺は目を閉じて自分の力に集中する。
魔力ではない、もっと莫大で神聖な力の塊に触れる。
それが神力なのだが、最近になってようやく力の塊として感じれるようになってきた。
今まではイメージしてそれを強く願えば使えたのだが、ルシファーが言うには全くもって使いこなせてなく、俺にも勝てねえよ雑魚乙、と笑われたのでマジで練習して、ようやく感じれるようになってきた。
まぁそれだけでもかなり時間がかかったのだが......。
俺は意識を世界へと、落としていく。
ー力が欲しいですか?ー
真っ黒い世界。俺はそこに浮いている。
そして横を見れば、龍司がルクスデリアの意思の声に考えているのが見える。
「別に力とか与えなくていいぞ」
「!?」
わざわざ時間を取るのも面倒なので、さっさと用件を済ましていく。
「ゆう......」
ーあ、ほんと?ー
俺の名前を呟こうとした龍司を遮り、意思が言う。
「おう。さっき電話があってな。まぁ内容はいいや。俺がやる事になったから」
ーじゃあ、終わったら例の約束お願いねーー
意思が嬉しそうな声でそう言うと、世界は元の城の屋根上へと戻った。
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