4/15
前へ
/22ページ
次へ
「どうやらここだな。」 坊主と俺は、 もう建ってずいぶんと経つだろう 小さな個人病院に辿り着いた。 「なー坊主 悪意だだ漏れしてんぞ、この病院。」 「みたいだな 行くぞ」 自動ドアがあき、 黒い邪悪な悪意が 俺を取り巻く。 地下鉄のホームに入ったときの、 あの生暖かい空気に、 どことなく似ている。 だが、そんななまぬるいもんより ずっと暗くて、重たくて ドロドロとした 悪意のかたまり。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加