1章

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ここ、藤ヶ崎学園は全寮制の男子校である。 (ちなみに、全寮制で男子しかいない環境のため、恋愛対象が男という生徒が結構多い。) 通う生徒は有名企業や名家の子息ばかりの名門校。 全国にある学園の中でも、金持ちの通うエリート校だと有名である。 蓮と雅がこの高校に転校してきたのは5ヵ月前。 二人が所属する組織から、ある生徒を護衛せよという命令を受けたからであった。 二人が所属する組織とは、企業とのつながりも深く、世界のトップ企業からも一目置かれている。 ちなみに蓮は、組織の中での幹部で構成される集団の中でのナンバー2という立場に位置し、雅は直属の部下である。 組織についての詳しい内容はまた後ほど。 5ヵ月前、この学園に転入してきた二人は、表向きは同じ家系の幼なじみという関係を設定し、護衛しやすいように学園でのそれなりの権利や地位を手に入れるたに風紀委員に所属した。 主に学園内の揉め事や、風紀の取り締まりが仕事の委員会のため、目立たないように普通に所属できれば良いと思っていたのだ が。 なぜか前風紀委員長から次期委員長に指名されてしまった。 本当に何の嫌がらせかと思った。 何度も撤回するように前委員長に求めたが頑として譲らなかったため、仕方なく風紀委員長をしている。 俺が渋々受け入れた時、あの人(前委員長)はそれはもう満足そうな笑みを浮かべていたが。 二週間ほど前に転校してきた、護衛対象である霧生飛鳥(きりゅうあすか)。 ここでは霧生グループの一人息子だという事を悟られない為に、成瀬飛鳥(なるせあすか)と名乗っている。 まあ、護衛する側からしたら、名字なんかどうでもいいんだけどな。 しかし不思議なのは…
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