本当に良いんですか?@勇者様

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汗だくの小さい老人が息をきらしながら、こちらに近づいてくる。 それに一瞬目を向けるが、創造神の像に目を戻す。 「おぉ、神よ。やはり、見捨てるのですか、私は、私は…」 話してる途中で、老人が襟を掴みずるずると、引きずっていく。 「おぉ、神よ。この老人、いやアンドルフに裁きを。」 俺は引きずられながらも、胸元で手を握りあわせ懇願する。 「裁きならいつでも受けますから、とにかく勇者様は今日成人を迎えられるのですから、勝手なことはしないでください!」 うるせーうるせー、と心のなかで呟き、アンドルフにひとつ言う。 「アンドルフ、俺はいつ勇者になった?俺は凡人の筈じゃねーか」 そう、俺は見た目も凡人。身体能力に関しては凡人以下。 なのに勇者なんて、とてもできない。 やはり、神は俺を見捨てたのか。 「何をおっしゃいますか。勇者様はあの預言の子ですぞ!凡人だなんてあり得ないのです!」
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