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ええそりゃもう、当然思ってるわよ。
強いて言うなら、海が地球の面積を占める範囲位には。
もしも自覚があるのなら、何も語らず見返りも求めない完全無欠のヒーローに生まれ変わって欲しいものだ。
なんて、本心を言える筈も無く。
「思わないわ、本当に感謝してるもの。…ありがとう。」
徐に伸ばした両手で部長の両頬を包み、額へ軽いキスを与える。
芝居がかったような可愛い音を出す、優しいキスを。
見つめ合えば、
「えー…そこはちょっと違うんじゃないかなぁ…子供じゃないんだから。」
第一声は不満タラタラで、ここだと言わんばかりに唇を尖らせた。
…ですよねー…
欲情を知る大人の男に、誤魔化しは通用しない。
「…ね?」
期待に満ちた瞳。
快楽を求めているのだと、否が応でもわかってしまう。
「…んっ…」
諦めて重ねた唇は、物理的にはただの皮膚の接触。
だけど、それは直ぐに唾液が混じる行為に加速し…
「あ…んっ、やぁっ、だ…」
「…お礼のつもりなら…君を…食べさせて?」
耳朶から項(ウナジ)へ、濡れた舌が滑らかに伝う。
「ずっと…抱きたくて、堪らなかったんだ…」
淫猥にささめく艶声。
我慢の限界だとでも言うように荒く熱い息を肌に吐いて、私を堕落へと導いてゆく。
「はっ…んんっ…」
ーーーああ…どうしてまた、こんな事に…
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