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それどころか…
「はあ!?昨日見張ってたって、一体どういう事なの!?」
一度本当に眠ってしまい、目覚めてからシャワーを浴びた後のコーヒーブレイク中、部長がポロッと零した言葉に朝っぱらから大激怒するハメに。
「んー…ごめんね?」
コテンと可愛らしく首を傾けられても、今度の謝罪は聞き捨てならないし見過ごせない。
昨夜の私の行動が見張られていたというなら、戸塚さんとの約束を破ってしまった事は、不幸中の幸いだったのだけれど…
この先も継続されては非常に困る。
「誤魔化さないで!ちゃんと説明しなさいっ!」
「いやぁー…あははは、怒った顔も素敵」
「煩いっ!見え透いたおべんちゃらはいいからとっとと吐く!!」
「えー、ホントなのに…」
上下関係何ぞ知るかとばかりに逃げ腰の部長を壁際まで追い詰め、今正に逆壁ドン状態の体勢だった。
「いつから!?」
「…君が会社を出てから?」
「あなたは確かデートだったわよね!?」
「…それはちょっと違うかな。昨日集めた子達は露骨で鬱陶しかったから、意図して高級ディナーに招待しただけ。」
「はあ!?何やってんの!?」
真意が読み取れず、イラついた勢いで胸ぐらを掴む。
するとこの男、不敵にもニヤリと笑い、
「ああいう輩はさ、お互いを意識させて勝手に小競り合わせとけばいいんだよ。そしたら君への被害も多少は減るでしょ?ついでに言えば、君が少しでもヤキモチを焼いてくれたら一石二鳥くらいの気持ちだった訳。」
悪びれずあっけらかんとネタバラシをした。
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