9827人が本棚に入れています
本棚に追加
一番の謎を聞くと部長は、
「ああ、それは…至って簡単な話しだよ。見張りは付けてたし念の為に付けといた盗聴器はバッチリ作動してたし、元々君の行動はある程度お見通しだし?彼女達とのディナーは、なるべく近い範囲内で予約無しでも引き受けてくれそうな、知人の店を選んだんだ。勿論、色めき立ってる彼女達の目を欺く為に、見栄えのいいウェイターばかりを揃えた店をね。まぁ…うちのグループの傘下だから、押し通せばどうとでもなった訳だけど。」
すました顔で得意気に、絡繰りを全暴露した。
要約するに…
私の人権は知らず知らず侵害されていて、彼女達もまんまと策略に乗せられたって話しで。
それでも彼女達はいいとしよう。
お目当ての男性とは親密になれなくとも、高級ディナーとイケメンでお釣りが来るくらいだ。
けど本題は更にここから…新たな戦いの幕開けとなった。
「ちょっと待ちなさい!盗聴器ってどういう事よ!?」
これはもう、あってはならない最低最悪の嫌悪すべき犯罪と言える。
「そんなモノ、何処に仕掛けたって言うの!?いつから!?」
…あー…またまたデジャヴが…
同じ事を繰り返して問い詰め、私までおかしくなりそうだった。
恋愛に関してだけ異常に感覚がズレてておかしな人だと認識してたつもりでも、ここまで来るともう立派な変質者…
名ばかりと言っても、自分の婚約者がストーカーなんて世間に知れ渡るのは、社会的立場から考えると本気で御免蒙りたい。
最初のコメントを投稿しよう!