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「呆れたしつこさね…」
「んー…だってどうせ君を守るならバレて嫌われるより、最初から堂々と暴露してた方がまだマシかなって思ってさ。」
ここまであからさまだと、怒る気も萎むけど。
「はぁ…もう勘弁して。…ハッキリ言っとくけど、婚約者になったからって私はあなたの所有物じゃないのよ?あなたが最初に定めた誓約を守れないと言うなら、自動的に婚約は破棄になるけど…それでもいいならご自由に。」
縛られるのは嫌い。
恩を傘に着る輩も嫌い。
ついでに言うと金にものを言わせる奴は、癪に障ってもっと大っ嫌い。
ツンと棘のある声色で言い放てば、
「…あーもう、溜息付きたいのはこっちだよ。大体君はしっかりしてるように見えて、実は危なっかしいんだから。自分がどれだけ魅力的な存在なのか…気付いてない分タチが悪いし。俺がどれだけ心配してるのか、全然わかってもくれないからこうするしかないんだろ。」
少し不貞腐れて頭を掻く。
「それって単刀直入に私がモテるって言いたいの?…勘違いも甚だしいわ。ただの思い込みよ。あなた頭いい癖に、そういう所がホント残念で可哀想なのよね。」
「先に謝っとくけど…君にだけは言われたくないな。」
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