不純と矛盾

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二人は反りが合わない程度だと思っていたし、人の良い彼が部長をそこまで嫌っていたとは心外でもあった。 けれど、馴れ合えと言っている訳ではない。 あくまで社会人としての自覚の問題だ。 私だって…この自己中大王を認知したくは無いけど。 「馬鹿言ってないで、この電話が終わったら登録なさい。これは必要事項なの。上司としての命令よ、いい?」 未来ある柴田君の為にも、こう答えるのが正解だと思う。 「…主任の命令なら仕方ないスけど…登録はしても使わないスからね。」 「またそういう事言う…全くもう…」 どうしてそこまで片意地を張り続けるのか、一度聞いてみたいところだけど…それは後回しでいい。 「そんな事より」 「そんな事ねぇ…」 小さな呟きはいつの間にか、ベッドへ寝転び目を閉じた部長で、 「ふん、誰の電話使ってるんだか。」 棘のある言い方をして、反対側へ寝返りを打ち背を向けた。 …本当に面倒な男… ほとほと呆れ、溜息ひとつ。 「だったらあなたが話す?」 「…嫌だね、何で俺が。」 「なら黙ってて。」 「………」 部長はそっぽを向いたまま、本当に黙り込んでしまった。 それなら最初から、余計な口出しをしないで欲しいものだ。 「…主任?」 「あ、ごめんなさい。こっちの話しよ。」 「部長、スか?」 「ええ、ちょっとね。」 「…そりゃそうスよね、部長の携帯からって事は、一晩ずっと一緒にいたって事だろうし…」
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