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まだ混乱していた私の事情聴取は部長の…というより、高木財閥の権力によって後日へと先延ばしされた。
いつ呼び出しがかかるのか…考えるだけで憂鬱だ。
「あいつらなら取り敢えず、署内の拘置所にブチ込んどくっつってましたよ。婦女暴行未遂に傷害罪、本来なら有罪判決確定で通常は刑に服しても数年てトコっスね。でもあいつらは多分…」
そう、あの暴君を怒らせて簡単に許される筈も無い。
きっと従来の罰よりも重い罰が、与えられるのだろう。
恐るべきは金の力なり、と言ったところか。
「なーんて、他人の心配してる場合じゃないんスよねぇ、俺ってば。」
「そうよ、一日も早く怪我を治して復帰してもらわないと…あなたの穴埋めは結構大変なんだから。」
本当ならゆっくり休んでもらいたい。
だけど、意外に営業成績の良い柴田君が担当している取引相手は女性が多く…代役を拒否される事が今迄に幾度と無くあった。
純粋に柴田君の手腕を買っているのか或いは、公私混同し下心満々なのか…
つまりは、非常にやりにくい相手ばかり。
まあ…ルックスはね、爽やかな体育会系だもの。背も高いしワンコ系入ってるし。
年上のお姉様方に、ウケが良いのも頷ける。
別にそれが悪いとは言わない。
だってそれすら個人の持つ才能のひとつだもの。
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