告白と繋縛

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ポカン、と。 開いた口が塞がらない間抜け顔で呆気に取られていた。 …うん。この子、天性の変態だわ。今まで良くも隠してくれてたわね… 変態の類いは触らぬ神に祟りなし、私の手には負えないと知りつつ、どうして私に恋心を抱いたのはか謎で。 キツい性格で挙げるなら、同じチームの菊川さんや他にも数々のお局様方がいる筈なのに。 「元々、じゃないの?貴方のソレは。」 「んー…確かにその傾向はあったんスけど…自覚したのは入社して間も無い頃、主任に喝を入れられた時スかね?」 …覚えてないわ… 新人研修を請け負った記憶はある。 でもそれは別に私に限った事では無く、入社して数年経ち仕事を一人前に熟せるようになれば、誰しも通る道なのだ。 〝人に教えることの難しさを知り、己も初心を忘れるべからず〟 などという、会社組織の綺麗事…元い、決まり事だから仕方なく従っていたに過ぎない。 「主任は忘れちゃってるかも知んないスけどね。当時、俺らの同期連中は大手企業に就職出来て浮かれてた奴ばっかで…綺麗なお姉さん達に鼻の下伸ばして、仕事は二の次だったんス。どうせその内覚えるだろーってなモンで。そんなこんなのある日…調子に乗った野郎が『たまには気晴らしに歳下の男はどうですか?』みたいな感じで、主任に声かけたんスよ。」
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