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「続き?」
これ以上何を暴露されるのか、冷静を保ちつつ生きた心地がしない。
「その後日談なんですけど…俺、偶然見ちゃったんスよねぇ。会社とは全く別人みたいな恰好した主任。」
…やっぱり、嫌な予感は当たるものだ。
さっきまでの長い前振りは、核心に辿り着く為のほんの序章に過ぎなかったのだ。
ここに来て天地がひっくり返るほどの衝撃を受け、ただただ絶句していた。
のほほんゆるキャラ柴田君に秘密を知られていたなんて夢にも思わず、わざわざお見舞いに来て大ピンチに陥るまさかの状況。
でもきっと…全てを暴かれた訳じゃない、と思う。
どうにか上手く誤魔化さなくては…
驚きと警戒とが相まって、全身に緊張が走った。
最初は戸惑った戸塚さんの変態的な趣向も、いつからか派手な装いがカモフラージュになるだろうと自然に受け入れ、自分でも別人になった気分でいた甘さが招いた結果がコレ。
「いっつも薄化粧でラフなスーツ姿も仕事の出来るイケてる女上司って感じでポイント高かったんスけど、真っ赤な口紅と黒のボディコンにピンヒールってのが、もろフェロモン出まくりで俺的には完全に相当ヤラレちまって、夢にまで見ちゃいましたもん。いやぁー朝っぱらからぶっ放すとか、マジ中坊以来っスよ、あはははは。」
…全っ然笑えないんですけど?何コレ?普通にセクハラじゃないの?
下ネタでも爽やかに笑う柴田君が、本気で憎たらしくなって来た。
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