告白と繋縛

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部長は口角を上げ、 「じゃあ、次は遠慮無くムシャぶり尽くすから、覚悟しといて。」 あざとく妖艶に嗤う。 まるで年がら年中盛りのついた、 「…犬みたい。」 そう貶しながら、穢れた身体は心と裏腹に反応を示す。 ーー奥が、疼く。 決して慣らされた訳じゃ無い。 絶頂を知る女であれば自然な反応…のハズだ。 「クスッ…犬、ねぇ。俺の今は、女王様に仕える蜂か蟻の気分だけど。まぁ…あながち間違いではないかな。嗅覚には自信あるし。」 「…嗅覚?」 「君限定のね。」 「それはつまり…何でもお見通しだって言いたいの?」 「さあ、どうでしょう?」 意味深な笑みが、酷く自信有り気に見えて嫌な感じがする。 …この男はどこまで…私の何を知っているのだろう? 「あなたは一体…あ…」 問い掛けようとして、角を曲がり突然現れた光りに目を細めた。 「ヤバ、対向車来ちゃった。危ないから早く降りて。」 「え?、えぇ…」 反射的に言われるがまま素早く降りドアを閉めると、窓越しに軽く手を振って部長の車は急ぎ発進した。 そこまでの焦らなくても、アパートの前は対向車がすれ違う道幅は充分にあるのに。 もしかしなくても、タイミング良くかわされた? 煮え切らない思いと、もう一つ抱えた不安要素に大きな溜息を零し、疲れた脚を引き摺るようにして我が家へと帰った。
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