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項垂れた姿を見せられ、益々苛立ちは募るばかり。
「謝るくらいなら手抜きをおやめなさい。会社はね、給湯室でお喋りして時間を潰す憩いの場じゃあないのよ。」
特に…稀に見る忙しさの中、噂話にばかり花を咲かせて、キャーキャーとはしゃぐしか能のない腰掛けOLに足を引っ張られたり…
「…っ……それは失礼しました。…私達は相川主任みたいに万能ではありませんので。」
反省無く小さな舌打ちが聞こえた日には。
「貴女ねぇ…逆ギレして一体何の利益があるの?そんなに余裕があるのなら、今後『それ』の担当は貴女がなさいな。チームリーダーの上野さんには、話しを通しておくわ。」
自分の中に、非情な悪魔が降りてくる。
「えっ?…な、何言ってんですか!コレは主任のチームの」
「そうよ、私の部下がとって来た案件だわね。」
「だったら、私がやる理由なんてないじゃないですか!」
「だから。貴女の手元で止まってたんでしょう?…不満や嫌味を言い返す元気があるくらいだもの。貴女が招いたピンチをチャンスに変えて下さいな。そして『それ』を貴女の業績にしてちょうだい。一歩でも万能とやらに近づいて、いつの日か対等に渡り合える為にね。」
「……そんなの、無理です……」
「そう?あんまり勇ましいから、勢いでやるって言うのかと思ったのに。残念ね。」
「…私には出来ません。…すみません、でした…」
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