嘘と誠

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~*~*~*~*~*~ ずっと長い間、自分を追い込んでいた時期があった。 何故、人は生まれる場所を選べないのか。 何故、普通の範囲以内でないと妬まれたり虐げられるのか。 何故、傷付ける事で喜ぶ奴がいるのか。 何故、無差別に助け合えないのか。 何故、全てを許せないのか。 何故、優しさだけに満たされて生きていけないのか。 何故、活きる目的もなくただ生きているのか。 何故、何故、何故、何故… こんなにも虚しくて、哀しみに押し潰されているのに…逃げ出せないのか。 涙すら溢れないというのに。 それはきっと。 幾ら心が枯渇していようと、まだ捨て切れないからだ。 底辺にへばり付いた希望や欲望が、誰かしらの温もりに触れたいと欲して止まない。 『どうか… 〝私〟を 〝俺〟を 見つけ出して… 愛して下さい』 狂いそうな孤独だけの世界で生きるのは…もう嫌なんだ、と。 魂が、叫ぶ。
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