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目を覚ました時、まず飛び込んできたのは白だった。 見渡す限りの白。着ている服まで白。ベッドも家具もトイレも風呂場も、全て白。 白白白白白白白しろ白白白白しろシロ白しろシロシロ白白。 精神が犯されそうな白。出口はないかと探すが、どこにもない。 ドアは勿論、窓もない。家具を動かしてみたりしたが、隠し扉のような物もない。 出口がないのなら、私はどうやってここに入ったのだろう? 出口が見つからないのなら仕方ない。少し疲れたから休もう。 ベッドに座ってふと気づく。 そういえば、私はなんだろう?名前さえ分からない。ここに来る前は何をしていたのだろう?なぜこんな、おかしくなりそうな空間にいるのだろう? 私は何で、ここはどこで、ここはなんだ? ベッドの下を覗こうとして、ふと私の髪が目についた。 白の中に映える、髪の黒。 嗚呼なんだ。私は私の色があったのか。 でも、圧倒的な白の前に髪の黒は些か弱々しい。 もう白を見ていたくないから、寝よう。
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