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「・・・!?お、おい!?」
俵太は運転手のその行動に当然ながら恐怖を覚え、思わずそう叫んだ。
しかし運転手は何も言わずタクシーを進める。
明らかに俵太が告げた目的地である大学とは別の方向だ。
「・・・」
俵太は恐怖と焦りで動揺を隠せないでいたが、よく考えた。
運転手はなぜこんな行動を取るのかを。
第一は誘拐であろう。俺を殺すか?監禁か?いずれにせよ真っ当な扱いは受けないだろう。
ーそう。
真っ当な扱いは受けないだろう。
俵太は今どこを走っているのかをフロントガラスでしか確認できない。明らかに目的地である大学とは別の方向だ。
窓を遮断するあたり、誘拐で間違いない。
そう考えていると、どこに潜んでいたのか、気がつくと隣に人が座っていた。
「!?」
俵太はびっくりする間もなく目隠しされる。
これで、俵太はさっきの疑問が確信に変わった。
俺は誘拐されているのだと。
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