第四章

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「…ふぅ。 "我は(ry 」 ミーシャは召喚する前に一つ息を吐き、詠唱した。見る限りでは緊張していない様子だ。 ……あの言葉は嘘じゃなかったみたいだな。 そしてミーシャが光に包まれ、その光が晴れ現れた使い魔は純白の服に身を包み、綺麗な白い長い髪の女性だった。だが、クラスの奴等が目を引かれたのはその女性の美しさではなく、女性の背中から生えた二枚一対のこれまた純白の翼だった。 「…驚いたなー。まさか天使を呼ぶとはね…。」 これには俺も普通に驚いた。天使は心がきれいで純粋な者にしか召喚することはできない。それと、過去につらい経験をしていて、それに対する神の恩恵の意味もこめられている。 「貴女が私を呼んだのですか?」 「…っ!ええ、そうよ。私はミーシャよ、貴女は?」 自分が天使を呼んで驚いていたミーシャだが、天使に声を掛けられ冷静さを取り戻し自己紹介をして天使に聞き返した。 「私は"ミカエル"と申します。」 「ミカエル、私と契約してくれる?」 「ええ、よろしいですよ。では、失礼します。」 ミカエルはミーシャに断りを入れ、ミーシャの頭に手を置いた。それから数十秒して手を放した。 「これで契約は済みました。貴女に私の魔力を分け、聖属性が使えるようになりました。それから記憶をみさせてもらいました。勝手に申し訳ありません。」 「…契約に必要なら構わないわよ。私のことはミーシャでいいわよ。よろしくねミカエル。」 「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いしますミーシャ様。」
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