第四章

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「…んで……まを…」 ダリアの方を見ていると勇者が何か言っていた。勇者の方に向き直り勇者に聞き返した。 「あ?なんか言ったか?」 「なんで僕の邪魔をしたんだ!?君が邪魔をしなかったら彼を助けられたかもしれないだろ!?」 何もわかってねーな、こいつ。自分の信念、理想、希望なんかは決して曲げず、表面だけ見て物事の本質を見ようとしない。 スーっと自分の中で感情が消えていくのが分かった。今の俺は冷たく一切の感情が籠ってない目をしてるんだろーなー。 「何も知らないようだから教えてやる。死神の邪魔をしたらお前だけでなく、周りの奴も死神に殺されるぞ?」 「なっ!………それなら、僕が皆を守る!!」 勇者は俺の話を聞いて一瞬驚いたが、少し考えてから予想通りのことを言ってきた。くだらない絵空事を…。 「はぁ…。 そもそも禁忌を犯したあいつが悪いんだぞ?それでも助けると?」 「もちろんだ!!確かに間違いを犯したかもしれない。だけど、命を奪う理由にはならないし、話し合って次はしないようにすればいいだけだろ!?」 「ならお前は、例え人を殺した殺人鬼でも助けるのか?人を殺すという間違いを犯した奴でも同じようにすると?」 「助ける!!どんな間違いを犯していようと人は皆平等だ!」 こいつ、あつくなりすぎて勢いで言ってるな。人は皆平等だと?そんな訳ないだろ。人は生まれながらにして不平等なんだよ…。
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