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「トウヤさまは、サインOKなんですか?」
「勿論私はOKだよ」
「頂けるんですか!?」
「うん」
トウカが返事をすると、すかさず鞄から取り出したのは、カフェの特集記事。
そんなもんまで持ち歩いてんのか!?と仰天しそうになった。
「お願いします!!」
「はーい。あなたが第一号だよ~」
笑顔で雑誌を受け取ると、指定された箇所にトウカはサインを書いて「リリって雑誌でモデルする事になったんで、応援ヨロシクね☆」と、ちゃっかり宣伝までしていた。
「はい!応援します!!ミヤビさまは?どこで活躍されてるんですか?」
「私は活躍しません!」
ピシャリと言い切ると、その人は釈然としない様子で、私の顔を見つめていた。
「トウヤ、そろそろ出ようや」
何だかいたたまれなくなってきたから、退席を持ちかけた。
私達がその場を去るまで、手を振り続けていたその人を私は振り返る事無く、店を出た。
「あ。みやさんと合流したら、いいとこ連れてってやるよ」
「いいとこ?」
ニヤニヤした顔して、何か企んでんの丸分かりなトウカ。
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