Act.36

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駅から見慣れた道を歩き、船岡さんのお宅へ。 インターホンを押すと、直ぐに船岡さんが出てきてくれた。 「よう、さゆ」 「おう」 「どうぞ、櫻井さん」 「お邪魔します!」 相変わらず、二人の掛け合いはとても短く。私には紳士的振る舞い。 「そんまま奥な」 「おーー」 さゆりは今更遠慮もなく、馴染みあるリビングへの扉を開けた。 船岡さんは別のドアから西田さんのいる台所へ。 「あ、これ!どうぞ!!」 「おー!!サンキュー!おお、何めっちゃ入ってるやん」 直ぐに袋を開けて中身を確認し、大笑いする船岡さん。流石櫻井さん!と言われてしまった。 「なんか、アッカの兄貴みたいな量やな」 「あはーーほんまやーーみやちゃーーん」 西田さんにもケラケラ笑われた。 「あ、でも、そこそこ日持ちするから!一応期限見ながらは食べて下さい」 「ありがとーーーこれーかわいーークッキー缶ーー?」 「うん。人気あるって。あと二個で今日は完売って言われたから買い占めてきた」 「てこたぁ、こっちの袋にもあれ入ってるんやな?」 「せやで!」
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