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結局、まだ一口も飲んでない生姜湯を机に置き、ナナちゃんの対面に私も座った。
「??」
「あのね……これなんだけど。説明してくれる?」
そう言って、机の上に出された物を見て、私は一瞬血の気が引いた。
サーッと言う音が本当に聞こえる位、一気に冷えた後、どっと汗がこみ上げてきた。
突きつけるように出されたそれは、さゆりがモデルのミニポスターだったのだ。
「最初は勘違いか見間違いかなぁ?って思ったんだけどさぁ……、これ、みぃちゃんの彼氏だよねぇ」
「あ、あ、あの……」
「どう言う事?」
やっぱり最初に感じたナナちゃんの違和感は思い過ごしではなかった。
全国レベルで有名になるって、こう言う事も起こり得るんやって事……私はまだ、認識が甘かった。
そりゃ、ナナちゃんにはいずれ言おうと思っていた事実やから、良かったと言えば良かったのだけど。
ただこんな状態で知られてしまって、しかも相手は怒っていて……。
「ごめんなさい」
何に対してごめんなさいなのかは分からなかったが、口から出てしまった。
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