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「まぁアラサー向けの雑誌やから、まだミヤビには早いか」
「うん。そやな」
「年間契約で、そこの専属モデルになった」
「へぇー……すげーやん」
「ポスター撮影の時のスタイリストさん覚えてる?」
「勿論」
トウカがモデルする雑誌にも時折スタイリストとして参加しているんだそう。
彼女自身はフリーらしいけど。
「てか、店にスカウトにきたスカウトマンさぁ」
「うん?」
「ミヤビさんは?って聞いてた」
「へー」
「カフェ辞めてますよって言ったらえらく残念がってた」
「何で」
「何でて……鈍いな、お前」
真顔で返したもんやから、もうちょいピンと来いよ!ってトウカは肩を落としてた。
「お前もいると思ってスカウトに来たんやろうが」
「マジデカ。辞めてて良かったー」
「まぁ、ミヤビを捜しても無駄足になりますよって言うといたよ」
「せーかい!!分かってるやんトウカ」
そんな話をしている時やった。
トントンと誰かが肩を叩いてきたから振り返った。
「?」
「ミヤビさまですよね?」
「へ!?」
声が上擦ったのか、裏返ったのか分からん声が出た。
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