Act.12

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すごすごとその場を後にしたその女性。 去った彼女の後ろ姿を見つめていたら、トウヤさんが口を開いた。 「みやさん……マネージャー扱い」 「そんな憐れみめいた目で見ないで下さい。私は気にしてませんから」 それに、都合いいじゃないか。勧誘されずに済むし。 その後は不思議な事に、誰からも声を掛けられることなく、目的地までの道のりを進む事が出来た。 「ある意味凄いね、みやさんの力」 「何かあんまり褒め言葉に聞こえないんですが」 そして、機嫌が悪いままなのか、ほぼ無言なさゆり。 「何拗ねてんのさ。声掛けられへんかったやんか?」 「違う!みやがマネージャー扱いされた事にムカついてんの!!」 「えー!そうやったん!めんどくさいな、君」 「めんどくさいて……!?」 面倒臭いやんか。 本人至って気にしてない上に、迷惑なものに引っかからなくなって楽になったのに、喜ぶ所か怒っちゃうとは。 「みやは、マネージャーちゃうもん!」 「分かってるけどな?他の人には分からんやん?」 「でも私はイヤやねん」 困った人だなぁ。
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