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すごすごとその場を後にしたその女性。
去った彼女の後ろ姿を見つめていたら、トウヤさんが口を開いた。
「みやさん……マネージャー扱い」
「そんな憐れみめいた目で見ないで下さい。私は気にしてませんから」
それに、都合いいじゃないか。勧誘されずに済むし。
その後は不思議な事に、誰からも声を掛けられることなく、目的地までの道のりを進む事が出来た。
「ある意味凄いね、みやさんの力」
「何かあんまり褒め言葉に聞こえないんですが」
そして、機嫌が悪いままなのか、ほぼ無言なさゆり。
「何拗ねてんのさ。声掛けられへんかったやんか?」
「違う!みやがマネージャー扱いされた事にムカついてんの!!」
「えー!そうやったん!めんどくさいな、君」
「めんどくさいて……!?」
面倒臭いやんか。
本人至って気にしてない上に、迷惑なものに引っかからなくなって楽になったのに、喜ぶ所か怒っちゃうとは。
「みやは、マネージャーちゃうもん!」
「分かってるけどな?他の人には分からんやん?」
「でも私はイヤやねん」
困った人だなぁ。
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