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その先にあった物を見た私は、驚きと笑いが一緒にこみ上げてきた。
「なんじゃこりゃー!!」
驚きの余り奇声に似た声をあげたさゆり。
左右の廊下の壁に均等に貼られたポスター。
それは全て、ミヤビとトウヤさんがモデルになった化粧品のポスターだった。
リアクションが予想通りだったトウヤさんは、満足そうに笑っていた。
「私も一番最初見た時は、呆気に取られてさぁ。逆にノーリアクションやったわ」
連れてきてくれたのは、トウヤさんをスカウトし、マネージャーに就く人だと言う。
その人の家族の一人が化粧品の直営店で美容部員として働いていて、その直営店がこの駅にあって……と言う事で、商品の売り込みと知名度を上げるために、知人の駅員さんに期間限定で場所を貸して貰って、今に至るそうだ。
「ノルマの問題?」
「場所的な問題やと思うよ。店行ってみたけどさ、店自体はでかいけど、この辺どちらかと言えばオフィス街やから、時間帯に寄っては駅利用者が少ないのな」
見ての通り、今の時間帯はとても静か。と、トウヤさん。
確かに殆ど人通りがない。
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