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張り合った所で、全く相手にされてないし(宮的には、さゆりが鈍感とも)、勝てないと悟り身を引いたのだとか。
勝手に敗北感感じてる自分が惨めになった事や、中身で惚れさせる相手に太刀打ち出来る術を知らないと、その彼女は言ったそうだ。
「でもあの子いたら、確実あの子が2トップやったわ」
そんな話を、トウヤさんは教えてくれた。
私が知らない頃のさゆりの話。
なのに何でかちゃんと想像ついてしまう。
「無限の可能性を秘めてますよね、さゆりは」
「みやさん」
「はい?」
「君も、だよ」
「え?」
「君次第で、可能性は広がるよ」
「そうなんですが。私は後込みするタイプやから……」
「頑張りなよ、若いんだから」
トウヤさんにえらく励まされた。
私が余りにネガティブなせいかな。
「しっかし。つくづく思ったわ。ミヤビ、ほんまにみやさんに惚れてんだなぁって」
「……私も、惚れてますよ……」
「……何々ー。疑ってないって。わかってるよー。相当惚れてなきゃ、無理っしょ」
「え?」
「あいつと一緒に暮らすなんて」
「??」
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