Act.12

43/75
前へ
/1817ページ
次へ
張り合った所で、全く相手にされてないし(宮的には、さゆりが鈍感とも)、勝てないと悟り身を引いたのだとか。 勝手に敗北感感じてる自分が惨めになった事や、中身で惚れさせる相手に太刀打ち出来る術を知らないと、その彼女は言ったそうだ。 「でもあの子いたら、確実あの子が2トップやったわ」 そんな話を、トウヤさんは教えてくれた。 私が知らない頃のさゆりの話。 なのに何でかちゃんと想像ついてしまう。 「無限の可能性を秘めてますよね、さゆりは」 「みやさん」 「はい?」 「君も、だよ」 「え?」 「君次第で、可能性は広がるよ」 「そうなんですが。私は後込みするタイプやから……」 「頑張りなよ、若いんだから」 トウヤさんにえらく励まされた。 私が余りにネガティブなせいかな。 「しっかし。つくづく思ったわ。ミヤビ、ほんまにみやさんに惚れてんだなぁって」 「……私も、惚れてますよ……」 「……何々ー。疑ってないって。わかってるよー。相当惚れてなきゃ、無理っしょ」 「え?」 「あいつと一緒に暮らすなんて」 「??」
/1817ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1171人が本棚に入れています
本棚に追加