Act.3

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新しい職場に行った初日。 何人かの人が、挨拶に来た日のことを覚えてくれていたらしく、声をかけてくれた。 「お。今日からやっけな。宜しくな~」 とか 「櫻井さんてこの間挨拶きた人やんな?」 とか 「自分関東ちゃうんや?どうりで違和感ないわけや」 とか。 そんな感じで、直ぐに馴染めた訳ですが、ただ一つ。私に仕事を付きっ切りで教えてくれる女性の先輩が思いの外怖い。 怖いと言うか、きつい。 お陰で一週間働いて言葉の最初に「すみません」を付けて喋る癖が付いてしまった。 私の配属先には、あまり若者がいない。 男女含めて、超少ない。 そのせいか、今更お前に教える仕事とか辛気臭くてやっとれるかオーラが前面に。 なるべく聞かんでも出来るようにノートとってるし、家でも清書がてら復習してはいるんだが、まだまだ前途多難な毎日です。 その電話は、二週間が過ぎたある日の金曜日の夕方の事でした。 今日も仕事頑張れたと、ご褒美にスーパーでスウィーツを漁っていたら、りっちゃんから着信が。 「はいー?お疲れ様~」 『あ、サクラ明日暇?』 「え……うん」
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