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序、王の死
「ブルノリアの物語」
遠い昔。神々は天駆ける船でこの地に降りてきました。そうして世界を今の形に整えていた神々に対して地底の部族グルドゥが攻撃をしてきました。
グルドゥは神々の船を奪い、地中深くに隠してしまいました。
グルドゥによって神々の数は減ってしまい、遂には三柱の神々が残っただけでした。けれど、ブルノリアの天からの光がグルドゥを大地から追い出し、三柱の神々によって世界は平和に包まれました。
ですが、グルドゥはまだ滅んでいませんでした。グルドゥは何度も何度も神々を襲いました。
神々はいつしかグルドゥの襲撃に備えて、その大きな甲冑から顔を出す事が無くなりました。だから、グルドゥは百年に一度神々を襲っては成果をあげられずに地底に戻っていきます。
私たちは神々の為に百年に一度、若者達を聖都レイエーンに送り、グルドゥと戦う事に決めました。
私たちの覚悟と尊い犠牲に神々は一層の慈悲を施してくださり、どんな矢も貫かぬ胴着と、どんな剣も断てない帷子を授けてくれました。そして、大地に撒けば豊穣な恵みを得られる粉も恵んでくださりました。
ところで、皆様のなかにはなぜ私たちの中には不幸な者がいるのかとお怒りの方もいらっしゃるでしょう。それは、グルドゥのせいなのです。彼らは多くの神々を殺してしまいました。本来は多くの神々が担うべき我々の運命を今は三柱の神々で見守ってくださっているのです。だから、富める者もいれば貧しい者も生まれてしまうのです。
神々を沢山殺したグルドゥを怖れる方もいるでしょう。しかし、大丈夫です。神々の祝福を受けた武具があります。
そして、天にはブルノリアがあります。
月の無い夜、空を見上げてごらんなさい。青い環が夜空を走っています。
それが、ブルノリアです。
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