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「まったく…先が思いやられるわい」
「「すみません…」」
「まぁ、いい。それより今から珊瑚は色霊(しきだま)の修業を始めるぞ。」
その言葉に珊瑚の目が輝いた。
「ほんとに…?久しぶりだなぁ、ちゃんとできるかなぁ?」
思えば1ヶ月ほど色霊の修業はしていない。久しぶりで心配な部分もあるが、珊瑚はこの修業は嫌いではなかった。
「ほれ、わかったらさっさと準備をしてこんか」
「え…別にこのままでもいいんだけど…」
そこにすかさず浅葱が
「お前その汗だくな袴で修業するのか?………冷えるぞ………」
「あ、そっか…そうだね、着替えてきます!」
パタパタと珊瑚が駆けていく。
「…お前もあの修業やっておきなさい。将来、確実に必要になるだろうよ」
「はい、ばば様」
「なにかあれば遠慮なく聞くんだぞ?」
普段はあまり見せない微笑を口端にのせて言う。
「…はい」
それに応えるように浅葱もほんのすこし頬を緩めたのだった。
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