二人の非平凡な日常

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「よし。よくやったな」 ばばが優しく労いの言葉をかけてくれる。 「ありがとう、ばば様!」 珊瑚はにこにこと心から嬉しそうに笑った。 「こんなに可愛らしい華がみれて…。…あーもうっ!ほんとぉーーにかわいいったらぁ!」 小さな菫をうっとりと眺めながら一人で悶えている。 そんな様子の珊瑚をばば様は笑いを噛みしめて観察している。 「お前の力も上達してきたな」 「あ、そうだった。そうですよね、前よりも術の発動がはやくなってますよね!」 「そうだった。かぁ…」 「…?なにか言いました?」 「いいや、ただの独り言だよ」 なんだかばば様が妙ににこやかだ。 珊瑚は不思議に思いながらも頷くしかなかった。 「さぁさぁ、技は上達したがまだまだ学ぶことはたくさんあるぞ。お前は色の名前とその色からうけるイメージをもっとふくらませて覚えてきなさい」 「はい!ありがとうございました、ばば様!」 元気よくピョコンとお辞儀をし、またしてもパタパタと駆けていく珊瑚だった。
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